茗荷城縄張図(国土地理院の電子地形図25000)
城に興味を持ち始めた頃、毎日新聞の大阪版に奈良市で新しい城を発見との記事が出た。
早速出かけたが、小さい記事なので位置や詳細も分からず地元でも御存じ無い方がほとんどで、漸く場所を教えてもらうと集落背後の小丘陵(標高412.9m/比高約20m)の南端付近が城跡で少し拍子抜けした気分で登ると、単郭の土塁囲みの城でこんなものかなと感じながら帰路につきました。
約40年ぶりに詳細を確認する目的で再度訪れた茗荷城は、以前と変わらず破壊もなく藪も少なく残っていました。
郭を囲む土塁は。北に丘陵が続くのでこの方面の土塁は約3mと高いものの他は2m以下で西側は痕跡程度しか残っていません、土塁の外側の切岸は3m強の高さがあり東側は谷に面しているので急斜面で落ち込み、西側は腰郭状になっていますが虎口に関連するものか?この城の注目すべき点として北の角の虎口ですが、食違い土塁(先の新聞記事にもありました)による虎口とされますが、私には明確に食い違っている様に思えませんでした。
なお近畿の城郭Ⅱでは、奈良県遺跡地図に南西200mの所に城郭遺構の存在があると記載があるが該当する丘、南東の天満宮の岡と共に登ったが城ではないと思いました。
虎口外側写真
虎口内側写真
主郭内部東側土塁写真
主郭内部南側土塁写真
切岸北西角岸写真
切岸北側写真
遠景写真
- 参考文献
戎光祥出版株式会社 2015年4月1日 発行
城郭談話会編 図解 近畿の城郭Ⅱ
株式会社 新人物往来社 昭和55年8月15日 発行
日本城郭大系 第10巻 三重・奈良・和歌山
国立歴史民俗博物館研究報告 第35集 1991年
千田 嘉博氏 中世城館縄張り調査の意義と方法