一乗山城縄張図(国土地理院の電子地形図25000)
福山市、沼隈半島の中央部にある谷の北を堤で塞いだ熊野水源地に張り出した尾根(標高約202m/比高約50m)が一乗山城です。
ピーク部に3段、七面大明神の所も含めると4か所の郭があり、最上段が主郭と思いますが南端が土塁状に高くなっています。これ以外どの郭も土塁は見られません、また各郭の虎口も明確でなく現状の登山道が本来のものか私には分かりません。主郭土塁、主郭切岸の根元に石積みが見られますが、元々のものか後世のものか分かりません。
主郭背後(南)は東から谷が入り込んだ鞍部形状で4重の堀切で厳重に遮断していますが、これにより背後の鉄塔のある高い尾根からの距離(約40m)を確保しています。
以前見ることが出来なかった東側の斜面には2段の削平地が有り、上段の郭の切岸には石積が見られるがごく雑なもので切岸の土留が目的のものと私は考えます。この郭の下に多数の竪堀が見られ、その南には斜面を掘りこんだ井戸(清水)があります。この井戸付近には竪堀が数本あるようだが付近は城域では最も藪が深く今回も確認できていません
北の七面大明神の背後に堀切があり、南の堀切の間の西斜面には多数の竪堀(竪土塁)が見られ通行を遮断しています。
主郭北より写真
主郭切岸写真
東斜面の竪堀写真
東斜面の石垣写真
井戸写真
南尾根の堀切写真
西斜面の竪堀列
北側堀切西側写真
遠景写真
- 参考文献
株式会社 傒水社 令和3年2月1日 発行
表 邦男氏著 広島県の中世城館を歩く
株式会社 新人物往来社 昭和55年1月15日 発行
日本城郭大系 第13巻 広島・岡山