布施山城

布施山城山頂主要部縄張図(国土地理院の電子地形図25000)

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 前回ブログ大森城の西約5kmにある国土地理院の地形図に布施山(玉緒山/標高240.9m比高約130m)と表記のある山が布施山城です。山頂に上下2段の郭があり共に幅5m前後、高さ1~2mの土塁で囲んで内部はきれいに削平されています。上段の郭は南北に虎口が開いており北側の虎口の周辺には石が多数見られ石垣で固められていたと考えられます。東の土塁内側に約7×6m窪地がありますが普通であれば水を溜めた跡の様に思われますが、岡山県吉井町茶臼山城の主郭には直径約8m深さ5mの竪穴が発掘調査で検出され貯蔵庫の様な役目であったことが分っています。各地の城でみられるこの様な窪地について単純に溜池と決めつけるのではなく検討が必要と私は考えています。下段の郭には登山道が東側に取り付いていますが土塁が開いているので虎口と思われます。上段の郭の南約20m下がった所に竪堀が見られ西側の尾根が取り付いいてるところにかけて数本を数える事が出来ました。現在登山道は東側の運動公園から登りますがこの登山道の途中には安井平内屋敷と標識のある削平地をはじめ数段の削平地が見られ、これらの削平地の北側斜面にも竪堀が見られました。長谷川博美氏によると山頂から南東方向の次のピークに雨乞山城があるとされていますので向かいましたが道もなく藪地で尾根を見つけられず断念しました。

  

上段郭内部北より写真

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上段郭内部南より写真

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上段郭溜池?写真

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上段郭北虎口写真

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下段郭南より写真

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 遠景写真f:id:temeraire1839:20191019154844j:plain

 

  • 参考文献

    2014 市辺れきし発見塾 れきしセミナー資料

      長谷川博美氏 布施山城の特徴について

    岡山県吉井町教育委員会

      備前周匝茶臼山城址 発掘調査報告書