虎御前山伝木下秀吉砦

虎御前山伝木下秀吉砦縄張図(国土地理院の電子地形図25000)

北国街道をはさんで約500m西の標高224mの虎御前山の稜線に北から順に、
多賀貞能砦・蜂屋頼隆砦(八相山)・丹羽長秀砦・滝川一益砦・堀秀政砦・信長本陣砦・木下秀吉砦・柴田勝家砦などの
石標(伝承)が建てられています。
しかしながら信長本陣砦・木下秀吉砦以外の砦は古墳群の墳丘、周濠を利用したと思われるもので縄張を見出し難いものです。
信長本陣砦は、よく削平され規模も大きく高い切岸主体の縄張りとなっています、
これに対して木下秀吉砦は、後に作られる秀吉による陣城に見られる土塁による縄張が見らえます。
山頂を3段に削平し郭を作って、最上段の主郭と思われる郭は約50m強三角形で北及び西に土塁が主に見られます。
西と南の中央付近に虎口が見られます。
南西部に削り残しマウンドがありますが櫓台でしょうか。
現在、南の角に登山道が登っていますがこれは後世のものと私は思います。
この山頂の郭の東、小谷山城方向に尾根が伸びておりこの尾根の北側に低土塁が見られます。
東先端から南に半分位は切岸が続きますが、残りは斜面に開いています。
土塁の内部は、削平をおこなっておらず自然地形です。
この尾根は現在高速道路により大きく削られていますが、
当時は小谷山方向に降る事が出来たと思われますのでそのための防備であると私は思います。
これは2016年6月16日のブログで書いたように
信長本陣砦から佐久間信盛陣から東に降る谷の両側の尾根上の土塁と同じ意味を持つものと思います。

主郭マウンド写真

主郭西側虎口写真

主郭南虎口写真

2段目郭空堀?写真

東尾根土塁写真

  • 参考文献

戎光祥出版株式会社
  高橋成計氏著 図説 日本の城郭シリーズ6 織豊系陣城辞典