玄蕃尾城縄張図(国土地理院の電子地形図25000)
賤ヶ岳合戦における柴田軍の本営とされる玄蕃尾城です。
30年前、初めて登った玄蕃尾城は、熊が出そうな藪山で充分に見ることが出来ず帰ってきた思い出があります。
平成16年に余呉町教育委員会による調査の後、定期的に整備が行われているようで現在は、直近まで自動車で行け駐車場にはトイレまで設置されており非常に行きやすい状態になっています。但し他の陣城、天神山砦、神明山砦、堂木砦等はあまり整備は行われておらず、行市山砦はいつ行っても笹薮で遺構はよく確認できず、左禰山砦はせっかく遺構を潰して作った林道が途中2か所ほど崩落して通れなくなっている等あまりよくない状況です。
玄蕃尾城の遺構は、中央の方形の土塁囲みが主郭と思われ、北東角に櫓台、北、東、南に虎口が開いています。各々の虎口の外には馬出郭が付属しますが、南の馬出郭の外には土塁囲みの郭が2重に続きます。これは南方向には尾根が行市山に続くためと思います。
北部の、北から西にかけて深い空堀、土塁に囲まれた郭は主郭以上の規模で北東角に虎口が開き出ると尾根続きで栃ノ木峠、椿坂砦方面に至ります。
この様に玄蕃尾城は、縄張的に賤ヶ岳合戦の陣城では最も見るべきものがあると思います。
主郭写真
東側
南側
北側
櫓台
東馬出虎口
北馬出虎口南馬出虎口
北郭写真
南より
南部空堀
虎口
北部空堀
南郭写真
内側郭
内側郭虎口内部
外側郭
南端虎口・土塁
- 参考文献
賤ヶ岳合戦城郭群報告書