短野城縄張図(国土地理院の電子地形図25000)
名張市の北、麓を名張川が流れる梅ヶ丘住宅地のある丘の南縁の標高331mが短野城です。現地は名張川の水面からの比高約200mありますが住宅地からの比高は50mありません、この丘陵地は南に名張と宇陀の境の、茶臼山、笠間峠に続き北端の薦生には伊賀には珍しい山の尾根に郭を配置する山城である薦生城があります。薦生で名張川を東にわたると6月22日ブログの松倉豊後守砦があります。短野城の主郭はピーク部を掘り込んだ土塁囲みで北と南に虎口が開いています。南の虎口の外は空堀で守られています。北の虎口を出ると北側に土塁が残る細長い郭になっています。この郭の虎口ははっきりせず主郭との接合部の東西は土塁が無く虎口の様に見えます。主郭の南西に西側に土塁が見られる小郭があります。以上の山頂部の郭群に対して南から東にわたって空堀及び低土塁により区画された平坦地があります。天正伊賀の乱の際に南の柏原城に対して陣取った伝承があり、この南の区画はこの時に筒井氏により改変されてものと私は考えています。
主郭虎口写真
北郭東切岸写真
南空堀東側写真
南空堀西側写真
東部土塁写真
- 参考文献
三重県良書出版会
三重の城 福井 健二氏著
三重県教育委員会
三重県埋蔵文化財調査報告30
三重の中世城館−開発集中地域中世城跡分布調査報告書
戎光祥出版株式会社
図解 日本の城郭シリーズ6
織豊系陣城辞典 高橋 成計氏著