的場城

的場城縄張図(国土地理院の電子地形図25000)

高遠城に対して国道152号線(杖突街道)を挟んで北側の標高986mの山、
その山頂よりやや下がった970m〜920mの南向きの尾根の稜線上に的場城は築かれています。
webの的場城を紹介されているのサイトを読むと、江戸城大奥の江島の墓がある蓮華寺の裏山という印象を持っていましたが、
実際は江島の墓から北東方向に約700m歩いて東に張り出した尾根を上ります。
この尾根と、蓮華寺から登ってくる尾根が合流したところから少し上った所から城域が始まります。
的場城の遺構は、四段の郭があり最下段の郭を仮に四郭とすると、
四郭は最も面積が大きく、南から東にかけて高さ2mを超える土塁があり、東側の土塁は1m前後の高さしかありません。
東、南、西は5m強の切岸でその下は空堀状になっています。
現在、道が南切岸を上がって土塁の端から郭内部に入りますが、本来は南東角に虎口があります。
2段目の3郭は、土塁も虎口も見られない最大幅10mの細長い郭で東西両側は切岸でその下には空堀が見られます。
3段目の2郭は、東側と南の一部に土塁があります。
土塁には2箇所の切れ目があり、そのうち南側が虎口の様で南に向かって道の痕跡があります。
西側には、明らか虎口と思われる落ち込みが見られ、下の空堀から登れるようになっています。
最上段の一郭は、他の郭を見下ろす櫓台の様な性格を持つのではないかと私は感じました。
上面には、土塁は無く南東角には虎口と思われる落ち込みがあり、
此処へ至るルートは3郭から西、北、東の空堀を経て登るものと思います。
一郭の北、空堀を隔てて北へ道が続いていますがその西側、次のピークの間が広い削平地となっていました。
的場城を見ての印象は、どの郭の削平もよく郭へ至るルートも空堀を経るように見られ興味深いものがありました。
最後に、昇った尾根の中腹以上は松林でありそれも近年見ないような手入れされており、
秋のシーズンは、絶対に登れることはないと思われます。

一郭写真
西切岸

空堀

虎口

二郭写真
一郭より2郭

東側土塁

西側虎口


西側空堀

三、四郭西切岸写真

四郭写真
内部北より

西側土塁

東側土塁

南側空堀

  • 参考文献

webサイト
  らんまる攻城戦記〜兵どもが夢の跡〜 さん
  土の城への衝動 武蔵の五遁、あつちへこっへ さん
    参考にさせて頂きました。