上之段城縄張図(国土地理院の電子地形図25000)
三次市の南部、美波羅川の右岸(東)の半島状に北に突き出した尾根(標高約237m/比高45m)が上之段城です。
西は美波羅川の段丘面で現在中腹に人家が立っています。東は小川があるのでこの丘の東及び北面は思いのほか急斜面となっています。西斜面は人家から下は田になっていますが中世は氾濫原であったようで容易に接近できない地形であったように想像できます。
南は唯一、尾根が続くので土塁、空堀で守っています。この土塁は三か所で横矢が掛かる様に折れがあります。
郭内部は一部に神社跡のようなところもあるがほぼ自然地形で、西、北、東は腰郭状に低くなっていますが後世の改変かもしれません、北、東に切岸を見ることができます、部分的に土塁の痕跡が見られますが明確ではありません。
以上のような私たち現代人が見ると中途半端な縄張は、中世の状況、地形から必要な所ところだけ最小限守り他は手を加えない形は、近畿の山間部の小城郭でも見る形で私は中世人の合理性の表れと考えています。
郭内部写真
不明な穴(後世の改変?)
土塁写真
折れ張出し部
虎口?写真
遠景写真
- 参考文献
webページ 「小花と春の古城めぐり」さんを参考にさせていただきました。