堀の岡城縄張図(国土地理院の電子地形図25000)
世羅町から西の安芸高田市に向かう途中にある、小国の中心から谷間を東へ約1kmのところにある低丘陵(標高452m/比高約60m)が堀の岡城です。
山頂には現在、薬師堂が残りますがピークを削平して立てたのではなく、元々の平坦な地形を利用したようで、付近には人為的に地形を改変した痕跡は見られません。
切岸及び空堀について現地を訪れる前は、この薬師堂の結界の様なものかと考えていましたが、一周すると長径で約120mありその様なものでないと考えます。
「広島の中世城館を歩く」の中では”世羅郡史に山腹繞すに虚壕を以てし”とあり、現状ピークより約20m下がった山腹の全周を切岸を取り巻いています。
切岸の東と西の尾根部分は掘り込まれて空堀状になっていますが、切岸の外側は一部土塁の痕跡が見られますが明確に空堀となっていません。
切岸の内側は、自然地形につながっている様に見え山腹から土砂が流れ込んで空堀が埋没したのかもしれませが、このへんは発掘しなければわかりません。
北から道(薬師堂への参拝のため)上がってきているので一部破壊が見られますが、土取りや耕作などによる改変もないように感じました。
西空堀写真
東空堀写真
南切岸写真
遠望写真
- 参考文献
株式会社 溪水社 令和3年2月1日発行
表 邦男氏著 広島の中世城館を歩く