小鴨氏城縄張図(国土地理院の電子地形図25000)
木津川の左岸(南)標高250m(比高50m)丘陵の尾根先端に小鴨氏城はあります。小鴨氏城は丘陵ピークを掘り込んで周囲を土塁として残した伊賀の城の典型と考えられている形態ですが、しかしながら青山町から大山田にかけて見られる郭を囲む土塁上に、低土塁で囲まれた小郭が特徴の(山村氏城、稲田氏館、城氏城、川上出羽城、永井氏城等)城があります。それらの中で今回の小鴨城の小郭は大きく二つの郭が並列している様に見えますがその出入り口は主郭内部に開いています。現在後世の破壊道が此の小郭の南から主郭の南東角まで通っているので、確実ではありませんが西の開口部が虎口とすれば小郭は虎口防御の役割を持つもの私は思います。主郭の東から北にかけて空堀になっており、北側の空堀の外の土塁は人の頭の大きさの川原石が積み上げられていました。
主郭東より写真
主郭西より写真
小郭東より写真
小郭西より写真
北空堀東端写真
北空堀西端写真
東空堀北端写真
遠景写真
- 参考文献
伊賀中世城館調査会事務局
調査会報 古城雑記 第296号 平成27年11月23日号