大山宮ヶ谷城

  • 城名 大山宮ヶ谷城
  • 所在地 京丹後市丹後町大山宮ヶ谷

大山宮ヶ谷城縄張図(国土地理院の電子地形図25000)

京都府の城館調査のなかで、最も印象にのこっているのが大宮町の延利城(2013年11月3日ブログ)と今回の大山宮ヶ谷城です。
延利城は複雑に派生した低丘陵の複数の尾根に郭を配置し各所を空堀、堀切で防御を固めています。
今回の大山宮ヶ谷城は、近くには谷垣城跡や是安城跡、石原谷城跡等の削平の規模の大きい郭の城がある中で、
異質の感をうける城です。
間人町と大山町との境にある標高212.8m山から竹野川の谷に東に張り出した比高80mの尾根の先端が大山宮ヶ谷城です。
大山宮ヶ谷城の周囲には、標高212.8m山の北の尾根には大山城跡、大山白石城跡、南の尾根には砂方城跡。
谷の対岸には岩木城跡、岩木南城などが集まっています。
大山宮ヶ谷城の遺構は、東側のピークに削平の不十分な主郭と思われる郭がありその東斜面に2段の郭が見られます、
さらにその東は堀切で尾根を分断しています。
主郭の西は約40mにわたって平坦地になっていますが、削平不十分で郭かどうか判断に迷いますが、
西端近くに東側に土塁を伴う空堀があります。
この空堀の長さは、平坦面の全域南わたっていますが北及び南端は掘り切らず残しています。
さらに西側は自然の谷地形を利用したような堀切地形になっています。
大山宮ヶ谷城の最も注目する点は北斜面に見られる竪堀列で、主郭北と西端部2箇所に分かれています。
主郭北の竪堀列上端には道の痕跡(腰郭?)が見られ主郭北西下で西側を土塁で遮断した窪地になっています、
私は虎口に関連するものではないかと思います。
西端のものは、西端と北側に低土塁で囲まれた構造が見られますが何を目的としたものか私には分かりません。

北斜面竪堀列写真

北斜面西端低土塁写真

北斜面竪土塁写真

西部空堀写真

東端堀切写真

  • 参考文献

京都府教育委員会
  京都府中世城館調査報告書 第1冊 丹後編

京都府自治体情報化推進協議会
  京都府・市町村共同 統合型地理情報システム(GIS) 遺跡マップ