井ノ内城縄張図(国土地理院の電子地形図25000)
美作市から南流する吉野川に沿って北から10km強の間に、三星城、三倉城、そして今回の井ノ内城、吉野川と吉井川の合流点にある大仙山城と比較的規模の大きな畝堀(竪堀列)を持つ城が並んでいます。井ノ内城は吉野川右岸に聳える大仙山に(標高252.4m、比高約200m)築かれています。大仙山の東斜面は川に面しているため険しいが西は尾根が伸びているので比較的登りやすくなっています。井ノ内城の遺構は三角点のある山頂から南北にのびる尾根に階段状に郭が作られており南側の郭には土塁が見られます。三角点から北西方向に延びる尾根上にも郭があり西に降る尾根がつながるところには大規模な堀切が掘られています。堀切の上はこの城最大の郭ですが全体的に北下がりの斜面で削平も良いとは見えませんでした。北西方向尾根の西端には8本東端には5本の畝堀(竪堀列)がありそれぞれの上端には横堀が見られます。この城で最も注目すべき点はこの2群の畝掘りの間に横堀(現状でも明確に箱堀と分かる)があり西から南方面からの攻め上がられることを警戒していることが分ると思います。
堀切写真
畝堀間の空堀
東側折部写真
東畝堀
上部横堀写真
畝堀写真
西畝堀
上部横堀写真
畝堀写真
北西尾根郭の虎口?写真
東尾根北部郭写真
遠望写真
- 参考文献
美作国の山城