2015年8月15日のブログで紹介した広島県三次市の南山城へ再度行ってきました。
以前訪れた時に見れなかったところを確認することが目的でしたが、
南山城のある丘陵は、東西にピークがありピークの間の谷に美術館の廃墟があります。
広島県中世城館遺跡総合調査報告書の縄張図では、
東のピークの中央に墓地があり、墓地の南北に遺構があるようになっています。
今回東のピークを外れて谷間を歩いていると、西のピークに向かって土塁が取り付いているのを見て、
西のピークの上に登ってみるとピークを土塁、切岸、一部空堀状の溝が取り巻いているのを見て驚きました。
土塁は所々横矢をかけるように折れがあり、南東の角にはハチヶ壇城に見られる平行にずらした土塁による
虎口があり、南西角には張り出した櫓台状の虎口がありました。
そして最も驚いたのは、美術館の建物の裏の斜面に3本の竪堀があった事です。
大永七年の尼子の陣城とされる南山城ですが、ハチヶ壇城や風越山等、尼子系の陣城には無いものと思い込んでいました。
そこで周辺を広く見直すと東ピーク、墓地東下の斜面にも4本の竪堀がありました。
何れの竪堀も、緩斜面の本来なら腰郭とするところに長さ5m前後の短いものです。
- 参考文献