矢鉢城

矢鉢城縄張図

津市と伊賀市の境付近のメナードカントリークラブ青山コースに隣接し、ゴルフコース造成の際にも破壊されず奇跡的に矢鉢城は完存しています。しかしかってあったと思われる山道は残っておらず城に行きつくには地形図を見ながら尾根を歩くしかありません。
場所はメナードカントリークラブ青山コース14番及び15番ホールに隣接した標高655mのピークなのですぐ分かります。城は通常脛の高さまでの笹が茂り、遺構を確認するには問題ありませんが、はなはだ写真写りの悪い城でした。しかし2013年4月に訪れた時には、笹が全く無く非常に驚きました。枯れたとか、刈り取られた様ではなく、無いとしか表現しょうがない状態です。未だに理由がわかりません。
矢鉢城の遺構は、四周に空堀が見られます。内部は東と西の二つに分かれるようです。
西の郭は東の郭と比べ狭く、西側と北側の一部に土塁が残ります。北の土塁の部分は北に張り出し、櫓台と考えています。
東の郭は四周に土塁が残ります。北と東が高く北東隅に折れが付いて櫓台と思います。
虎口はこの東郭に南北二か所開いています。いずれも平虎口ですが周りから横矢がかかるようになっています。
矢鉢城については天正7年の北畠(織田)氏の伊賀侵攻の際の陣城と私は考えています。

櫓台西より

台北より

櫓台東より

櫓台南より

櫓台空堀

東郭土塁及び空堀

東郭北側土塁及び空堀

東郭内部

西郭内部

  • 参考文献

伊賀中世城館調査会
  調査日誌 古城雑記 第284号
  城館調査の記録
伊勢中世城館調査会
  伊勢の中世城館 2000年1月10日号