段の城上

  • 城名  段の城上
  • 所在地 兵庫県多可町中区門前
     

段の城上縄張図(国土地理院の電子地形図25000)

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兵庫県多可町の妙見山(標高692.4m)の南麓にある中区門前の集落を囲むようにある東西の尾根があります。東の尾根野先端付近の標高364mのピークは畝堀の特徴がある貝野城です。西の尾根先端には空堀による段垣内構居、標高294mのピークは段の城下、そして標高479.6mのピークは今回の段の城上です。なおこの尾根が妙見山の頂上直下でつながるところに、2014年2月7日ブログの妙見山砦があります。段の城上は標高479.6mのピークから南に向かって北部(場広山、伝本丸)、中央部(伝南城)、南部の郭があります。北部の郭は山頂の40mを超える削平の良い郭から南に3段の郭がつづき、最下段の郭から山頂郭の東に開いた虎口まで通路があります。山頂郭の南東斜面には岩を放り積んだような所がありますが、現状は石垣には見えずあるいは崩れたもの(可能性は低いと思います)かと私はおもいました。なお通路に面したところには明確に積んだと見えるところはあります。北部の郭から中央部の郭にかけての尾根上には巨石が林立しており通行できません(西側に回り込んでルートがあるようです)北側に巨石の間を通るようなところがあり「伝門石」とあります。中央部郭は、北と南に一段低くなった郭があり西側の帯郭がつないでいます。このうち北側の郭(伝水呑場)には現在NTTの中継局が建設されて改変があると思われます。当然建設にともない調査が行われたと思いますが報告書等私はいまだに見つける事が出来ません。中央と南部郭の間にはもともとあつた谷地形を掘り下げて堀切になっています。南部の郭は切岸で区画されて二つの郭が中心で郭の間は堀切状になっていますが斜面には降りていないように私には見えました。南端には東は不明確ですが西側は明らかに竪堀が入っています。これから先の南には2~3段の削平地が見られます。

 

中央部郭南虎口写真

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中央部郭西切岸写真

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中央部郭北虎口写真

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中央、南部郭間の堀切写真

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南郭南切岸写真

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南部郭中央堀切写真

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南部郭西竪堀写真

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南部郭北切岸写真

 

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中央、北部郭間の巨石による阻塞?

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山頂郭虎口写真

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山頂郭東斜面の石積写真

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遠景写真

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  •  参考文献

    兵庫県西脇市教育委員会

      播磨・水尾城遺跡の調査と研究