旭山塁

旭山塁縄張図

八ヶ岳の山体崩壊による韮崎岩屑流でつくられた台地の上の、
流山の一つである標高911.8m旭山の山上に旭山塁があります。
旭山は、比高約150mで北寄りに三角点のある山頂部があり、南に傾斜する山頂部約300mが城域です。
300mの内の200m強は、全周を切岸で囲まれていますが内部はほぼ自然地形です。
この北の郭の北端には空堀が見られますが、林道が横切っています。
この林道は、北の郭を縦断し南の郭に至ります。
南の郭は、北の郭より一段下がり東、南、西を3〜2mの高さ土塁が囲んでいます。
土塁の外側は、空堀になっており切岸の高さは5m程度あり南からの尾根筋からの強力な守りになっています。
南の郭の、南東部は張り出しておりその西に虎口が開いています。
旭山塁で明確に虎口と確認できるのは、この一か所で東の土塁が切れているのは後世の林道を通したものと思います。
同じように北の郭との境で、現在石碑の立っている所も虎口であったとしても林道を通す際に破壊があったと思います。
南の郭の、西側は谷状地形で20m程度落ち込んおり土塁で塞いでいます。
西側土塁の中央部に切れ目がありますが、虎口では意味のないものと私は思います。
天正10年の北条、徳川氏の対陣の際の北条氏直本陣の若神子城より北約7kmに、
旭山塁はあり両方の城を佐久往還が繋いでいます。
因みに前回の信州峠を下ると、若神子城へ至ります。
旭山塁は、本陣の若神子城よりはるかに規模も大きくその位置からも佐久往還の連絡を確保する目的で
築かれたものと私は考えます。

写真は全て南の郭
北側写真

南側写真

北西側写真

西側空堀写真

南西角写真

南張出部写真

南張出部虎口写真

  • 参考文献

北杜市教育委員会
  北杜市埋蔵文化財調査報告 第35集
  山梨県北杜市 市内城館跡詳細分布調査報告書