美作で城を調べていると、尼子氏による築城との伝承をもつ城が数多くあります。
然しながら、縄張的に見て尼子氏の特徴が明確に分かるものがありません。
宇喜多の陣城を調べていることもあり尼子の陣城と思い浮かべることが出来るのは。
天文10年の安芸高田の郡山城攻め陣城群の風越山、青山、三井山城等ですが、
特に、風越山城は空堀、土塁が特徴的な縄張で非常に興味を持ちました。
安芸高田市歴史民俗資料館の学芸員の方のお話を伺うと、
山深く荒れた様子で単独行は無理かと思いました。
他に探してみると今回のハチヶ壇城が同じように土塁、空堀が特徴の尼子の陣城でした。
ハチが壇城は、三次市の北、松江自動車道三次ICの西に隣接する山上にあります。
山上は平坦で東西約50m南北約100mを土塁、切岸で囲んだ郭になっています。
郭内部は、自然地形で南西が高く、北はほぼ平坦です。
土塁は、南と西の虎口周辺が明確で高くなっています。
各土塁の外側は極浅い堀状になっている所も見られました。
虎口は、平行に4〜6mずらした美作ではあまり見ない形式です。
北西角に張り出した尾根に、堀切、空堀があり、
空堀は北、西だけで堀切に囲まれた内部は南下がりの傾斜地で郭ではないようです。
堀切の東も平坦ではありますが、南側に曖昧な切岸が見られるのみで
郭ではないような印象を持ちました。
西郭空堀写真
- 参考文献