尾道市の北に御調川が流れる谷があり、その西部に北から野間川が合流する谷の東の山から張り出す南斜面に今田の集落の人家が張り付くように点在する尾根ピーク(標高約180m/比高約60m)が上田城です。
全長約30mの単郭の小さい城ながらながら、東に続く尾根を2重の堀切で遮断し南北の斜面に竪堀列(畝堀)を掘って防御を固めているように見えますが、肝心の2重堀切の外(東)が高くなっているので郭の堀切に面して土塁があっても簡単に見透かすことができ、鉄砲でなくて弓矢でも制圧が可能のように私には思えます。
北西角には薄いながら堀切、郭南西角には張り出して横矢のかかるような虎口があり縄張的には面白い城ですが結局何を目的にしているのかよく分からない他の地域(丹波、伊賀、伊勢等の山間地)にもみられる城の一つです。
郭内部写真
東堀切写真
東尾根上から
2重目の堀切
郭背後の堀切
北斜面竪堀写真
南斜面竪堀写真
北西尾根堀切写真
遠景写真
- 選考文献
株式会社 渓水社 令和3年2月1日発行
表 邦男氏著 広島の中世城館を歩く
株式会社 新人物往来社 昭和55年1月15日発行
日本城郭大系 第13巻 広島・岡山