- 佐味城(幸田城)
- 奈良県御所市大字鴨神
佐味城縄張図(国土地理院の電子地形図25000)
金剛山から奈良盆地に向かって(東)降る尾根が扇形に広がっている所(標高約450m/鴨神集落から比高約100m)の全域を使って、佐味城は築かれています。
城域は東及び南が規模の大きな空堀で囲まれ、その内部に低土塁に囲まれた方形区画が多く築かれていますが、これついては寺院跡や家臣の住居地等言われていますが、現地を見る限り寺院に伴う石造物や生活痕等見当らず理解に苦しみます。
扇の要に当たる位置に郭(主郭?)があり、北東角を除き土塁が残ります。南と東に空堀があり直角に土塁が入って障子掘りの形態になっています。虎口は東と南に開いていますが、東の方は城の入り口(大手?)から通路が真直ぐ通じており些か不自然な感じがします。
佐味城と同様な縄張の城は、関西地方では四日市市の保々西城(朝倉城)があります、こちらの方は朝明川の河岸段丘を利用して作られて城域内部は佐味城の様な高低差はなく、方形区画の土塁の外側には堀の様な所が見られます。(他に四日市市の市場城、鈴鹿市の大久保城がありますが両城は市街化のため遺構の残りはあまり良くありません)
北堀切土塁
北堀切土橋
主郭南土塁
主郭南空堀西側
主郭南空堀東側
主郭東空堀
方形区画
南空堀
東空堀
城入り口
- 参考文献
戎光祥出版株式会社 2014年8月8日 発行
城郭談話会編 図解 近畿の城郭Ⅰ
株式会社 新人物往来社 昭和55年8月15日 発行
日本城郭大系 第10巻 三重・奈良・和歌山