勝山城縄張図(国土地理院の電子地形図250000)
南の麓に世界遺産、補陀落山寺がある山(標高69m/比高約60m)の山頂部、南尾根、東尾根の3か所の城郭遺構がある様ですが、今回山頂部と南尾根の遺構を見てきました。
山頂部の土塁に囲まれた主郭と思われる郭には、50cm程度の丸い石がいたる所に転がっており、石垣が崩れたものかと思いましたが土塁の基底部の根固めに使っているようで石垣では無く、この山頂部は海岸や河原の石が堆積した地質の様で地中に大量に埋まっている所がありました。北西角の大きな窪地があり北側の土塁が基底部の痕跡しか残っていませんがこのあたりは後世に改変された様に見えます。
主郭の南側中央に虎口が開き、南の一段下がった郭に出ます、この郭には西側に土塁があり、虎口と思われる土塁の切れ目がありました。
西側に隣接して水道施設が建設され大きく改変されているようですが、その南及び西には郭と思われる削平地がありますが明確ではありません。
主郭の東は深い堀切が掘られ、その東の尾根上に人の手が加わった跡が見える所があり、薄い土塁に囲まれている所がありますが土や石を集め積んだ様で耕作に伴う物と私は考えます。
林道の脇の鉄塔から南に約100m下ると、堀切とピークの東から西に下る尾根の北側に平行に伸びる空堀が見えてくるが、この東尾根の遺構の疑問点はピーク上の郭と思われる平坦地は径10m強の大きさで、しかも北の尾根からは見下ろすことが出来のでこのピークに籠っても意味が無いように思います。西に向かって下がる尾根には堀切らしきものが2本ありその、先端に平坦地があるが郭ではないと私は思います。
今回、那智勝浦に向かったは紀勢道がすさみ南まで伸びたので前から見たかった、古座川の一枚岩へ行くのが目的で、それに合わせて那智勝浦へ向かいましたが結構時間がかかりました。
山頂部写真
北郭虎口
西土塁
東土塁
堀切より東の尾根上の平坦部集石
南尾根写真
堀切北より
空堀西側
空堀東側
竪堀
尾根南側の削平地
古座川の一枚岩
- 参考文献
和歌山城郭調査研究会 2020年6月1日発行
和歌山城郭研究 第19号
藤岡英礼氏 特別報告 勝山城 付 神光坊屋敷・橋爪坊屋敷