一乗寺城

一乗寺城縄張図(主要部のみ)

金沢市小矢部市の境は標高200m前後の山地となり石川、富山県境になぅています。この山地に天正12年に羽柴方の
前田利家、徳川方の佐々成政がそれぞれ陣城を築いています。
金沢市北東部の松根城が有名ですが、今回の一乗寺城もそれらの陣城群のうちの一つです。
一乗寺城は国土地理院の地形図に桝山と表記された山上にあり、東、中央、西の3郭からなり東の郭はピーク部を削り残し
櫓台的な機能が有るのではないかと思います。
西側の削平地を介して中央の郭と接していますが、東の郭と中央の郭の境は空堀と思われる一段低くなっている部分があり、
中央の郭の東端は土塁による虎口になっています、
同じように西端も土塁の虎口でその外は空堀で西の郭と接しています。
西の郭は北が高く北から東に土塁が有りますこの土塁の外側は10mを超える切岸になっています。
西の郭の南東角に虎口があり下(北)の郭に下りる事が出来、西と北に土塁が有り東側は空堀で区切られています。
空堀を隔て竪土塁が有りその上面は広くスロープ状になっています。
城内へのルートはこのスロープを登り空堀奥の通路を通って下(北)の郭に入り西の郭に至るルートが想定できます。
松根城と比べると規模は小ぶりですが縄張は類似な所が見られる見ごたえのあるものでした。
残念ながら7月月末現在、薮化(草薮)しており東の郭の南北にある郭群を見ることができませんでした。

西郭土塁写真

中央郭西虎口

  • 参考文献

北陸の中世城郭 14号
 佐伯 哲也氏 
 天正12・13年における佐々・前田両氏の抗争について