夏栗山砦縄張図(国土地理院の電子地形図25000)
丹波篠山市の北、黒頭峰と並んで目立つ 夏栗山(標高600m/比高南丹波篠山市小坂約370m 北春日町東中約490m)の山頂に夏栗山城はあります。
丹波地区で城郭調査を行っておられた高橋成計氏が、地元での聞き取りから夏栗山砦の存在を確認されました。
急峻な山容の夏栗山ですが山頂部は、約200mにわたり平坦な地形で、そこに中央、西、東の郭が作られています。
中央の郭は、東西に土塁が見られ西側は食違い虎口になっています、北側は折れのある高さ約2mの切岸になっていますが、南側は西側の一部を除き切岸は明確でなく、展望台が作られているので破壊があったのかもしれません。
東西の郭は、南側は明確な切岸となっていますが北側は自然地形のままです。
西郭の先端は土塁があり、南側は5m程度張り出し虎口となっています。
東郭には2か所、虎口と思われるものがあります。
高橋氏によれば、夏栗山から金山城北の瓶割峠を経て譲葉山城(2013年11月30日ブログ)までの尾根通りのルートが確認でき、この事から夏栗山砦は黒井城(直接的には東の三尾山城)に対する陣城であったと思われます。
以前、城域は藪状態でしたが現在は、植林は間伐され下草は綺麗に刈り取られ非常に見やすい状態になっていました。
中央郭写真
西虎口内側
西虎口外側
西土塁外北西外角
2007年5月撮影
東土塁内側
東土塁外北東角
東土塁外南東角
北東切岸
西郭写真
西端土塁
虎口南西より
虎口北東より
虎口外側
南側切岸
東郭写真
南切岸
南西虎口
遠望写真
- 参考文献
戎光祥出版株式会社 2008年1月5日発行
高橋成計氏著 図説 日本の城郭シリーズ6 織豊系陣城辞典
戎光祥出版株式会社 2019年8月8日発行
高橋成計氏著 図説 日本の城郭シリーズ13 明智光秀の城郭と合戦