関勘解由館「山方高築遺跡」

  • 城名 関勘解由館(高築城、山方高築遺跡)
  • 所在地 岡山県津山市山方

関勘解由館縄張図(国土地理院の電子地形図25000)

津山市北部の黒沢山(標高668m)の南に延びる尾根が平野部に達する所、
国土地理院1/25000地形図に山方の表記のある所の北に関勘解由館はあります。
現地は。人家や耕作地があるところから山林を約500m入った所で
近年は植林以外に人の手による改変は無いように思います。
関勘解由館の遺構は、約50m四方の切岸によって区画された削平地が主郭と思われます。
主郭には一部土塁の痕跡がみられますが、現状は過って何かしらの改変を受けたように思われます。
主郭の南東角には張り出すように全周を約2.0mの高さの土塁で囲まれた区画があります。
主郭の南辺の中央には、土塁が2重になった部分があり土塁が食い違って開口した所は虎口と思われます。
美作国の山城の解説の様な、津山藩の家臣の関氏の屋敷とは思えず、
高橋成氏は織豊系陣城辞典で鏡野に侵攻してきた毛利氏に対抗して羽柴氏が築いた可能性を指摘されています。
なお西の沢を挟んだ尾根の上にも、斜面を切り込んで削平地を作りその西、南、東を土塁で囲んだ遺構があります。

主郭南辺土塁写真


南東角張出区画写真



  • 参考文献

おかやま全県統合型GIS 遺跡地図
津山市教育委員会  生涯学習部 文化課
  美作国の山城
戎光祥出版社株式会社
  高橋成計氏著 織豊系陣城辞典