長野峠のある伊勢、伊賀の境の山地が安濃川流域の平野に至る所にある標高64,1mの丘が二子城です。
二子城の遺構は、ピーク部の東西二ヶ所の削平地が主なものです。
東の削平地は、一応削平は行っているようですが、北、東、南の切岸は不明確です。
北側に掘り残したような土塁状の高まりがありました。
この削平地の東側は浅い溝状になっており南側に回り込んでいます、北側は竪堀状に落ち込んでいました。
空堀かもし得ません。
西の削平地は、東より約5m低く周辺に土塁があります。
土塁は、北が約3mの高さがあり徐々に低くなり北側の虎口付近で、高さは1mとなっています。
虎口の外は、大規模に崩落しているのでルートが分かませんが、
西の下側に削平地があるので、そこから斜面を上がり左に折れて入る形ではないかと思います。
この様な明確な虎口を持つ西の削平地に対し、東の削平地及びその先の尾根上に明確な遺構が見られないのは、
不思議な感じを持ちました。
- 参考文献
株式会社 新人物往来社
日本城郭体系 第10巻 三重